お三輪ちゃんの物語


2000年 9月 2日、9日、13日 歌舞伎座 夜の部

 1996年11月、12月に国立劇場で通しで上演された、妹背山。三笠山御殿の鱶七、実は金輪五郎 今国は12月の方で上演だったの
で、12月に観た。そのとき以来観てなかったの。で、通しのときと構 成変わるのは仕方ないとしても、あまりといえばあまりな鱶七部分カットバージョン。まぁ、お三輪ちゃ んの物語だってことはわかるけど、ほとんど一分くらいしか出てこない求女に橘姫、通しのときもこの2 人はそう出番はなかったが、どーなん?みどりでやる場合の御殿の場でも鱶七入り込みからあるバージョ ンもあると聞いたし、やっぱ時間の都合なん?鱶七部分大幅カットの今月バージョンもあり。なんだそう だけど、なんだかななぁ。。。
求女は実は藤原淡海という、藤原鎌足さんの御曹子。橘姫は入鹿の妹。鎌どん(by鱶七)と入鹿は敵同 士。今は入鹿さんが権力を制圧。求女は実は、橘姫の兄入鹿を倒すため橘姫とつきあってる。なぜか、杉 酒屋のお嬢お三輪ちゃんともつきあってる三角関係。で、橘姫の着物の裾に結びつけた苧環の糸を、求女 さんが追ってくる。求女さんに結びつけた苧環の糸を、お三輪ちゃんが追ってくる。御殿の前で糸切れま した。きーっ!他の女に浮気するなんて!ちょっとー!誰かいないのー!通りかかった豆腐買い。お姫さ んと良い殿御の祝言があるのよん♪しええぇぇぇー!許せないー!ちょっとー!求女さんに会わせてよー! いでたる、いじわる官女の面々。殿御に会いたいなら、御殿の作法を覚えなきゃだめ。酒のお酌やら、歌 やらと、教えるふりでいびりぬく。ついには可憐な娘さんに馬子歌知ってんの?へー!それやってみせて よ。とさんざんになぶる。で鳩尾あたりを一撃。気絶しちゃったお三輪ちゃんを置き去りに。気づいたお 三輪ちゃん、ぼーぜん。こんなことしくさって。。ママに結ってもらった髪もこんなにしちゃって。。 きーっ!このままでは、容赦しないわ。でも、一人で奥行っても、またいじめられちゃう。お家帰って、 丁稚を連れてきて懲らしめてもらお。帰ろうっと。・・・奥から聞こえる祝言の歌。・・ふん。また、あ んなことしてあたしを騙していじめようってのね。そーはいかないわ。帰りましょ。。またまた祝言の歌。 ・・・あ〜れを〜聞いては〜帰られぬ〜。思えば思えば、あの男、、、男とられてこのままで、帰れはし ないわ〜。きーっ!おのれ、おめおめ〜そわそうか〜。と、奥へ行こうとするお三輪ちゃん。ちょーとー とつに、上手から、どてらに巨大手ぬぐいで頭を巻いた鱶七(金輪五郎)が!いきなり刀で切りつける。 しえええぇぇ〜。さては姫に頼まれたな?男をとったその上に、私を殺せとは!鬼か〜蛇か〜!我が道を 行く鱶七。上にあがって、「女喜べ。それでこそ、あっぱれ高家の北の方」へっ!卑しいこの身を北の方 とは?(上手から被衣に緋袴の敵の捕り手が。しゃしゃっと鱶七のどてらを脱がせ、とんぼ。巨大手ぬぐ いのその下は、茶金ぴかぴか短めに着付けた裾に化粧まわしみたいなびらびら。土佐犬チャンピオンか?) あのねー、求女くんて、実は藤原鎌足の嫡男の淡海くんなの。でね、敵の入鹿を倒すにはね、爪黒の鹿の 生き血と、疑着の相(すんごい嫉妬のどろどろの執念の固まり)の女の生き血が必要なのね。だから、恋 しい男のためと思って、成仏して、死んでね。と。嬉しいわ。。たとえ死んでも愛しい男のお役に立てて 死ねるなら。とはいうものの、も一度お顔が拝みたい。ああ〜、もう目が見えぬ。。・・・恋しい。。上 では、知らん顔で、こときれていくお三輪ちゃんに片手拝みの金輪五郎。はい。お三輪ちゃんは死んぢゃ いました。あーあ。。。かわいそ。あっちからもこっちからも捕り手。金輪五郎を真ん中に、ぐわわわーっ と金輪五郎さんが見得して幕。
 こんな感じ?(^^;哀れだよねぇ。お三輪ちゃんて。金持ち商人のお嬢でさ。恋はしてるけど、まだお子 ちゃまの部分がいっぱい残ってて。年の頃なら、15、6。ハイティーンにはなってないと思うのね。昔 は、まぁ、お嫁入りとか早かったし、恋してもおかしくないお年頃だけど。子供子供したお嬢ちゃまなと こが多分に残ってて、でも、恋しい男をとられたと思えば、疑着の相ある女の顔。なんつーものになっちゃって。 哀れも憐れ。。若い恋心の純粋性だわねぇ。あら、これってお三輪ちゃんの物語じゃない。橘姫も求女も ちょこっとしか出てこないし、そして、また、鱶七=金輪五郎って重要な役なんだけど、上使部分がカット されちゃって、突然でっかい男が現れて、嫉妬に燃えるお三輪を止めて殺しちゃう。カットされなければ、 入鹿さんの元へ様子探りにいって、あのいじめの官女さんたちにからかわれちゃったり、毒酒盛られちゃっ たり、やっとことっちゃうんとこなー!だったり、後半の唐突残酷とも見える金輪五郎の説明にもなり、緩 和にもなるんだけど、今回のようなバージョンだとほとんど何者だかわかんない。入鹿や鎌どんのことを状 況説明したりはしてるけどね。なんぼ後の演目で時間食うからって、何とかしてよ。松竹さん。
と、文句たれつつ、それでもかっちょええんだわねぇ。金ぴか衣装で爆発頭で、でかい。いまわのきわの お三輪ちゃんの嘆きをじっと座って聞いてるとこにも説得力も情けもある。でも、大義のために死んでく れ。っていう強さも決断も残酷さもある。とんぼかえらし、捕り手さんたちを左右に従え、大見得。 くーっ!かっちょいい!播磨屋!日本一!いや、宇宙一! が、しかーし!出番少ない。。16:30〜17:47(今日は50分近かったような)の上演時間で、 登場すんのが、17:30ちょいよ。。。お三輪ちゃん、好きよ。ひょっとして、歌舞伎のヒロインの中 では、一番好きかもしれない。でも、でも、でも、でも、でも、でもねー。 鱶七部分カット無しのが観たかった。15分くらいの出番が素晴らしいからこそ、よけーそー思う。 でも、カット版で、出番少なくても十分な貫禄。白塗りも好きだが、こーいう顔も好きよ。とのこで、 眉がぐーっと上がってる風なの。須磨の写絵とか、熊谷の顔みたいの。あー、もっと堪能したいっす! (くどいけど)何とかしてよ松竹さん!
 2000年 9月13日 夜
寝ても醒めても表紙へ

HOMEへ