あの髪のひとすじになりたい


 2004年 11月 3日 歌舞伎座 昼の部

 
 晩秋だというのにあたたかな、日なたや屋内ではちょっと暑いくらいの文化の日観劇でした。    前の逢瀬は8月末の巡業でしたが、やはり、吉さまには…    歌舞伎座がよく似合う!    久々の歌舞伎座です。いへ、そりゃ10月に一度行きましたが、全然記憶がありません(^_^;)  間口の広い歌舞伎座の舞台。その大きな舞台からはみだしそうな大きさ。    でっけーーーーーーっ!    視界からはみだしそうです。
   で、関兵衛さん実は黒主さんなんですが、キテレツな物語です。  雪があるのに櫻が咲き、菩提を弔うのにちょードハデなきんきら衣装の宗貞さんが。  関兵衛さんは、茶のミニターバンのようなものをかぶり、緑のどてらのよな着付けに、長チョッキのよな  ものをまとい、(この長チョッキの模様が吉菱だった)鬢部分に特大はブラシのよな髪がぴょんと。  酔っぱらって再登場すると、あとのさばき髪のために、横鬢というより横たぼになってます。  関守さんですからそんなかっちょよくありません。かっちょよくはありませんが、愛嬌と色気があります。  しかし、もんのすごい着こんでる感じで、大変そうです。  ほいで、雪の山路を赤姫さんがやってきて、「逢いたかったわ、宗貞さん」「僕もー」  「…ところで、あなた、あなたのおととが謀反人に殺められちゃったわよ。ほら、血文字の書かれた   この片袖」「!!やや!!憐れな、不憫な。よよよよよ。。。」    で、なんやかんやで、「あの関兵衛があやしーよね」「そうよね、なんか変だわよ」  と、形勢わるしと関兵衛くんは引っ込んで、再登場時は、酔っぱらい〜。とこうするうち  小町櫻から墨染さんが。「橦木町からきましたわあん。」「なんでえ?」「逢いたさにぃん」  「そりゃ、誰にぃ?」「こなさんにぃん」で、初めて逢ったのにじゃらじゃらと廓のたてひきみたいのを  二人して踊ります。    で、結局、遊女墨染さんは、宗貞さんの弟、安貞さんの恋人(妻)だったのです。あら、びっくり。  しかも、人間じゃなく、先の帝の遺愛の櫻、そう、先の帝の菩提を弔うため、都からこの関に移し替えた  小町櫻の精だったんですう。  で、関兵衛実は黒主は、国家乗っ取りを企む謀反人の首領だったんですぅ。  で、安貞を殺した張本人だったんですぅ。  ゆえに、人外櫻の精墨染ちゃんが、なんでかわかりませんが遊女に化けて仇討ちにきたのでした。  じゃらじゃら踊ったそのあとに、見顕して、ばっさーなロン毛で、青隈も増えちゃって、眉もキリリ太に  へんしーん!な黒主さんと対決の(?)踊りで闘って(?)しかし、闘いながらも色っぽく艶っぽかったりして  鉞片手に深紅の舌しゃーで、墨染ちゃんはのけぞりーんで、最後は二人並んで決め見得で幕  訳わかりませんが、見終えてすっきりでした。はい。
 どうでしょ?これでなんとか粗筋紹介になりましたでしょうか?なに、さっぱりわからない?  そんなバナナ!…どうもすみません。。  きんぐおぶ苦悩なお役で、台詞に酔わされ、心は撹乱され、ボロボロになりつつも高揚感で劇場を  後にする。そんな逢瀬も捨てがたいのですが、お伽話にのせられて、ほわほわとにんまりしながら  帰るのもそれはそれで素敵です。  ですが、観てる方はほんわりでも、演られてる吉さまは大変でしょうなあ。拵えはぐるぐる巻きみたいだし  舞踊劇だから動きが激しいし、汗きらきらでございました。  幕開きの柴をまとめて、焚き火にあたる仕種から、宗貞さん、小町姫との絡みでの愛嬌と、ちょっと見破ら  れそになったときの悪ののぞく表情と、同じ人とは思えません。  踊りの技巧はわかりませんが、常磐津にのって、ものすごく真面目に踊られているのがわかります。  常磐津の文句と同じにフリしてます。とういうか、私のよなど素人にもその通りに踊っているのが  わかります。とでもいうかな。  生真面目だ。そして、汗。綺麗だ。  そして、何といっても黒主さんになってからが  でかい。ああ、なんと言っても黒の拵えにちらりの深紅。艶かしいあの長髪。生き物のようああの髪。  たまりません。後ろ姿に背面を覆う黒髪。ああ、黒い獅子、嗚呼、あれこそは人間だけど人外の巨悪。  セクシーだ。  そして、くどいようだけれども歌舞伎座の吉さまが一番大好きだ。  いや、他の劇場の吉さまも大好きだ。けれども。  
   今年は、二月と六月と十一月。三回しか歌舞伎座にお出ましでありませんでした。  そりゃ袖なかろうぜぇ。◯竹さん。  それはさておき、なっがい舞踊劇で、舞踊だから台詞も少なく、筋はあるけどお伽話系(?)  なので、落人しそうになりそなところもあったのですが、大丈夫でした。  今回は、何よりも歌舞伎座の舞台に立つ吉さまを拝見できて幸せです。  そして、きんぐおぶ苦悩の悲劇ものじゃなかったので、ある意味、心もだいじょぶです。  次は…  ぼろぼろにめっためたに胸痛みながら、心地良い    きんぐおぶ苦悩!な吉さまに逢いたいっ!  それまで、エネルギーを蓄えておきます。がんばります。   吉さま、元気をいただきました。どうもありがとうございます。   心からの感謝を。      けど、今月また、お目にかかりにまいりますわーん。もっとあったまっているであろ。では。
 2004年11月 3日 文化の日 そして大安 寝ても醒めても 表紙へ