1999年6月12日記

半ズボンをはいた播磨屋

読み進めていくうちに、太宰治の「津軽」を思い出しました。

ご存知のように「津軽」は」太宰が久しぶりに故郷を訪ねた時の旅行記です。 なんとなく共通
点があると思うのですが、それはもしかして周知のことなのでしょうか。 手元に太宰治の本が
ないのですが記憶に頼ってちょっとあげてみますと、

・丈がばあばあ(たけさん)に母親をかんじていたことと、「津軽」で太宰が むかし子守りを
してくれた「たけ」に再会し、母親に出会ったように心の平和を感じたということ。 (名前も
偶然同じですね。
「津軽」クライマックスがこの「たけ」との再会で、感動的だったのを覚えています。太宰はた
けのことを一番書きたかったようです。
「半ズボン〜」でも丈はばあやさんの 事を一番お書きになりたかったんではないでしょうか)

・78ページ「バアバアのイメージ」の絵と、昔買った新潮文庫にあった、 太宰が描いた「た
けの顔」というイラスト。

丈は太宰治を演じていますので、「津軽」もお読みになったことがありなにがし かのヒントを
得られたのではないか?などと邪推しております。

「津軽」を思い出した為か、「半ズボン〜」では太宰治を連想する個所 (あくまで私が連想し
たんですが)がいくつかありました。例えば、

子供らしく素直に自分をさらけ出すよりも、ちょっと斜交いに透かしてしゃれたこと を言うの
です。それもにこにこしながらです。そうするといつも大人たちは笑ってくれるのです。 (84
ページ)

もちろん、こういった部分は「半ズボン〜」の内容のほんの一面でしかありません。 逆に、変に
観方を狭めている気がしてきました。第一「津軽」と共通点があったとしても、太宰治との 共通
点はいえないでしょうし。

ただ、そう思わせるような「ナイーブさ」は全編を通して感じました。 このナイーブな少年が背
負った、大名跡「吉右衛門」を継ぐプレッシャーを思うと、なんだか胸を つかれる思いがしま
す。この少年にどれほどの苦労や苦悩が待ち受けていることが・・・。

現在私が目にする吉右衛門丈は、「実力と魅力」(BY阿川佐和子)を兼ね備えた 素晴らしい歌
舞伎役者です。その丈の舞台を観られるのは贅沢なことだし、嬉しいことだと思います。 ただ、
丈が苦悩を乗り越え努力を重ねてたどり着いたであろう現在の姿しか知らない私は、何十年も丈
を応援しその成長を見守ってこられた方をうらやましくも思うのです。

*家主:初の『半ズボンをはいた播磨屋』の感想文でございます。
 さなぎさん、ありがとー♪ふむふむ「津軽」読んでみよ♪

 1999年12月14日 11月にいただいたメールです。



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