と、殿さま?そして、濡髪さんは3m


 2000年 1月 4日 16日 25日 歌舞伎座 夜の部

 一部では、「濡髪さんは、3mには見えた。いや、肩のあたりに雲かかってたから、もっとデカ イ!」との噂もありますが(吉さまって、大魔神かいな?(^^;)かほどに大きく見えました。はい。 戸をくぐって、お出ましのときのあのデカさ。演出上、大きく見せるようになっているそうですが、 まぁ、その演出とあいまって、デカイデカイ。リッパリッパ。単純な連想ですが、大きなクジラのよ うでした。で、歌昇さん扮する与五郎さんが、濡髪が好きで好きでたまらんのですわ。ある意味、惚 れてるってことでしょうな。濡髪さんの隣りにちょこんと座って、濡髪さんの顔を見上げてる後ろ姿 に、きゅん♪としてしまいました。まさに「惚れなきゃ駄目だ。。」ですわねぇ。最初に観たときは 初見で、殿吉さまにちょっと不服だったから、よけいにかっこよくみえたのかなぁ?との危惧もあっ たけど、2度目も3度目もゾクゾクさせてくれる濡髪さんでした。デカくて、立派なだけでなく、な んてんでしょう、大人の色気がありますわ。フェロモンむんむん♪で、けして、嫌らしくはない。 と、説明できませんが、観ていて、芝居が進むにつれ、顔がにやけてくるんですわ。嬉しくて、わく わくして。上質な生の舞台の魔力ですわね〜。これが逆に、同じ台詞、同じ動きでも役者が違ったり するとまた感じ方も違うだろうし、生の舞台てのは、ほんに毎日が真剣勝負ですな。 富十郎さんの=放駒とのやりとりも、まぁ、お二方の台詞のやりとりの快感なこと。吉さまと、富十 郎さん、お二方ともに台詞に定評ありますけれども、吉さまとの舞台の相性ばっちりですな。割と共 演も多いし。放駒が、自分の勝利は、濡髪がわざと負けたためと知ったときの、憤りに、若い新進の 関取の無念さ、悔しさが実感こもって伝わってくるし。吉さま命!の私でさえ、「うんうん。放駒ちゃ ん、あぁたの言うのももっとも。お姉さんが、水ごりまでしてくれたのにねぇ。そら、濡髪さんが卑 怯というもんね」と思えば、濡髪さんの威風堂々の男ぶりで「男が手を下げ頼むのを・・」と聞けば 「そかそか。濡髪さんには、何だかわからんけど、与五郎旦那のために、そこまでせなならん、義理 があるのか。うんうん。男は大変ねぇ」と納得し。競演の醍醐味というものを再確認させてくれる舞 台でした。特に、歌昇さんの与五郎さんも、富十郎さんの放駒もいい配役で、配役のアンサンブルと いうのは大事なのねぇ。と遅ればせながら実感した私です。角力場だけだと、濡髪が、なんで八百長 までして、与五郎に義理だてするのか説得力が薄いし、放駒の「ちゃんと勝負は勝負として、砂に俺 をうずめてから、頼みごとをしろー!」という言い分のがしっくりきますが、そこはそれ、濡髪の 「命を差し上げても義理だてせねばならぬゆえ、男が手を下げ頼むのじゃー!」で、前後関係はわか らねど、濡髪には濡髪の言うに言われぬ事情があるのだなぁ。と納得させられました。お相撲さんの 拵えさせたら、日本一じゃないですかね。吉さまって。高下駄で頭も大きくて、大きく見せる工夫は もちろんされているし、ご自身大柄でもいらっしゃるけども、そんなことを超越した大きさの濡髪で した。ほんに視界に納まりきらない。というか、大きな大きな、水ぎわだった男ぶり。出番は短いけ れども、これで、2000年一年間の災厄逃れができそうです。  2000年 1月30日 記
 2000年 1月 4日 25日 歌舞伎座 昼の部
 思えばむかあし、松浦の太鼓を観たいためにパーフェクトTVに加入しました。その頃はスカと 合併はしてませんでした。アンテナ&チューナー+工事費で、現在のスカパーより2倍くらいの値 段だったと記憶しています。がっ、後悔はなかった。松浦の太鼓ビデオは私のリピートビデオとな り、「いつかは生の舞台で!」と楽しみにしておりました。そして念願叶い、2000年初芝居の 演目となって生の殿吉さまを観ることができました。しかし・・・・・
 其角と源吾との序幕が終わり、松浦邸の句会の場面。幕が上がるとすでに詠草に筆を持ち思案 顔の松浦鎮信侯。この日のためにゲットしたかぶりつきの上手寄り♪・・・「ん?ちょっとお顔 に疲労の色がある???」いや、気のせいに違いない。それとも風邪気味ででも?一抹の不安が よぎる私。。いや、期待が大きすぎたのか?どきどきしながら、ワクワク感を待ちました。  4日にしては、出演者みな科白も入り、無論のこと吉さまは当たり役でもあり、ビデオで観た とおりに科白も動きも進んでいく。短気でちょっとお単純で正義感の強い、隣り屋敷の吉良家に 赤穂浪士が討ち入るのをひそかに楽しみにしている殿さま。うんうん、怒り顔もよし、お縫に目 通りを許さなかったのは、其角が言う通り「予の申すことを聞かぬによって、それで腹を立てて おったのじゃ」の愛嬌ある好色げなかあいらしさもよし。・・・なのに、ワクワク感は訪れない。 正確にいえば、芝居が進むにつれ、殿さまの喜怒哀楽の芝居にワクワクはしてくるのだけれども、 それは、ちょっと自己暗示をかけているようなワクワク感であって、心身ともにこーなんという か血がふつふつしてくるようなワクワク感ではないのでした。
 芝居の内容に関わらず、興奮させてくれる舞台というのは嬉しくて涙ぐんでしまうような快楽 をもたらしますが、陣太鼓を聞いて討ち入りがあった!と気付き大喜びの見せ場でも、なんだか 熱が足りないような。幕切れの「褒めてやれ褒めてやれ」で舞台中央で扇子を右手にきまるとき も何かが足りない。。。「吉さま、殿さまになりきってないよ!」この芝居生で観るのは初めて ですが、他愛もないといえば他愛なく、松浦鎮信侯という殿さまのキャラクターだけで持ってい るような芝居だと私は思うのですが、ちょっとがっかり。。いや、期待度が高かっただけにかな りがっかり。やはり、初日を開けて間もなかったからだろうか?それとも私の期待度が高すぎた だけで、私の目が歪んでいるのであろうか?80%くらいまではワクワクできる。繰り返しにな るけれども、役者さんみな科白も入っている。顔ぶれそのものは豪華。なのに・・・・・    次回観るときを楽しみにしていよう。日が経てばノリノリ殿さまになってくださるやもしれぬ。 と自分に言い聞かせつつ、内心では初日に観てもいい舞台はたしょうもたついても興奮を与えてく れるもの。初回に観て「?」と感じたものは自分の先入観もあるだろうけど、全面回復することは まずない。。。清正じーも宗吾ととさまもゴエ吉さまも初役の初日ですでに私のハートをわしづか み状態であったから。。。舞台はナマモノですな。誰が悪いというのでなく、配役のアンサンブル も豪華ではあるけれどもしっくりしないような。。板の上とは恐ろしいところよ。。いや、悪くは ない、悪くはないが良くもない。。。他愛もない話なんだからさ〜。的ないい意味の楽しさもない。 いや、記憶が事実を歪めているかもしれない。ので、次回観た後にまた感想書きます。次回は後半 だからね、日が経てばもっと何とか。。。
 というわけで、不完全燃焼のもどかしさのまま、夜の部の『角力場』へ。こちらは映像でも生で も初見。かっちょいいだろうな〜。くらいの期待はありましたが、それほどの期待ではありません でした。正味50分で、濡髪吉さまが舞台にいらっしゃるのは35分くらい。(たぶん)で、ほと んど床几に腰掛けたまま中央に目をすえてお扇子ぱたぱたしてらっしゃるだけ。しかし、、、、、 これがまた理屈抜きで私の血を沸き立たせてくれました。劇場出るときはスッキリでしたもの。 いや、本当に舞台は生きてますな。2000年早々、お勉強。というか考えさせられる初芝居の初 観劇日でした。濡髪さんの感想文もも少し書きます。  2000年  1月 8日 夜

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